骨粗鬆症の方へ|インプラント治療のリスクと成功の秘訣
2025/03/20

こんにちは。八千代市八千代台の歯科 ハロー歯科 前川医院です。
骨粗鬆症と診断されると、歯科治療に対して不安を抱く方も多いかと思います。
特にインプラント治療は、顎の骨に直接埋め込むため、骨密度が低いと難しいのではないかと心配される方もいらっしゃいます。
しかし、適切な診断と治療計画を立てれば、骨粗鬆症の方でもインプラント治療を成功させることは十分可能です。
当院では、患者様一人ひとりに寄り添い、安全で確実なインプラント治療を提供しております。
骨粗鬆症でもインプラントは可能か?

骨粗鬆症は、骨密度の低下により骨がもろくなる疾患です。
高齢者や閉経後の女性に多く見られます。
このため、インプラント治療においても影響があるのではないかと不安に思われる方も多いでしょう。
結論として、骨粗鬆症の方でもインプラント治療は可能です。
ただし、いくつかの注意点やリスクがあるため、適切な診査・診断と対策が必要になります。
骨粗鬆症の方がインプラント治療を行う場合のリスク
骨粗鬆症の方がインプラント治療を受ける際には、以下のリスクが考えられます。
インプラントの安定性が低い
骨密度が低いため、インプラントがしっかりと固定されにくい場合があります。
骨の強度が不足していると、オッセオインテグレーションが正常に進まない可能性があり、結果としてインプラントの生着率が低下します。
インプラント手術後の治癒が遅れる
骨の再生が遅れることで、通常よりも治療期間が長くなる可能性があります。
特に術後の炎症や感染リスクも増加するため、適切な術後ケアが求められます。
骨吸収が進行する可能性
骨粗鬆症が進行すると、顎の骨がさらに痩せることでインプラントが長期的に安定しにくくなることがあります。
インプラント周囲の骨が吸収されると、最悪の場合インプラントの脱落につながることもあります。
ビスフォスフォネート系薬剤による影響
骨粗鬆症治療薬(ビスフォスフォネート製剤)を長期間服用している場合、顎骨壊死(ONJ)のリスクがあるため、慎重な対応が必要です。
手術を行う前に薬の服用状況を歯科医師と共有し、必要に応じて主治医と相談することが重要です。
骨粗鬆症でインプラントに注意が必要な場合
以下のような場合には、より慎重に治療計画を立てる必要があります。
長期間ビスフォスフォネート製剤を服用している場合
休薬が必要かどうかを主治医と相談しながら判断します。
長期間使用していると骨の代謝が抑制され、骨のリモデリングが遅れるため、術後の回復に影響を及ぼす可能性があります。
重度の骨粗鬆症がある場合
骨密度が極端に低いと、インプラントが安定しない可能性があるため、骨移植やPRF(血小板濃縮フィブリン)などの補助療法が必要になることがあります。
また、骨密度が非常に低い場合は、インプラント以外の治療法も検討する必要があります。
既に骨折歴がある場合
骨の強度が著しく低下している可能性があり、慎重な対応が求められます。
特に顎の骨折歴がある場合は、インプラント治療が適応できるかどうかを慎重に診断する必要があります。
骨粗鬆症の方がインプラント治療を成功させるためのポイント
骨粗鬆症の方がインプラント治療を受ける際には、以下の点に注意すると成功率を高めることができます。
1. 精密な診断と計画立案

骨粗鬆症の患者様にインプラント治療を行う際、まず重要なのが精密な診断です。
当院では、歯科用CTを完備し、顎の骨の状態を三次元的に詳細に把握することが可能です。
特に、骨密度の低い患者様の場合、インプラントを埋入する部位の骨質がどの程度なのかを正確に評価することが、治療成功の鍵となります。
また、骨密度の低下が顕著な場合には、骨補填や骨移植の必要性を事前に検討することもあります。さらに、患者様の全身の健康状態や服用している薬剤(特にビスフォスフォネート系薬剤)も考慮し、インプラント治療の可否や適切な治療計画を立案します。
治療計画の段階では、通常のインプラントよりも長めの治癒期間を確保し、骨とインプラントの結合(オッセオインテグレーション)がしっかりと行われるように調整します。加えて、咬合力(噛む力)の分散を考慮し、複数のインプラントを適切に配置することも、長期的な成功率を高めるポイントです。
2. 骨補填材や骨移植を活用する

骨粗鬆症の患者様の中には、顎の骨が薄く、インプラントを埋入するのに十分な骨量が確保できないケースがあります。
その場合、骨補填材や骨移植を活用することで、インプラント治療を成功へと導くことができます。
骨補填材には、自家骨(患者様自身の骨)や人工骨、異種骨(牛由来の骨)などがあり、それぞれの特性を活かして適切な材料を選択します。
特に、人工骨や異種骨は、吸収が緩やかで骨再生が期待できるため、骨粗鬆症の方にも有効です。
また、骨が不足している場合には、GBR,ソケットリフトやサイナスリフトといった骨造成手術を行い、骨の厚みを増やす処置を施すこともあります。これにより、骨の強度を高め、インプラントが安定する環境を整えることができます。
3. インプラントの選択を工夫する

骨粗鬆症の患者様に適したインプラントの選択も、治療成功の重要な要素です。
一般的に、短めで太めのインプラントは骨との接触面積が広がるため、骨密度が低い場合でも安定しやすくなります。
また、表面処理が施されたインプラントを選択することで、骨との結合力を高めることができます。
特に、ハイドロキシアパタイトコーティングやサンドブラスト処理が施されたインプラントは、骨伝導性が高く、オッセオインテグレーションを促進する効果があります。
さらに、インプラントの埋入方法も工夫する必要があります。通常の埋入方法ではなく、即時荷重を避け、骨との結合が十分に確立されるまで待つ方法を選択することで、失敗のリスクを軽減できます。
4. ビスフォスフォネート製剤の管理

骨粗鬆症の治療に使用されるビスフォスフォネート(BP)製剤は、骨の吸収を抑制する効果があるため、インプラント治療に影響を及ぼす可能性があります。特に長期間使用している場合、顎骨壊死(ONJ)のリスクがあるため、慎重な対応が求められます。
当院では、BP製剤を服用されている患者様に対して、主治医と連携を取りながら適切な治療計画を立案します。
場合によっては、薬の休薬期間を設けることや、インプラント治療の適応を慎重に判断することもあります。
また、BP製剤の影響を軽減するために、できるだけ侵襲を抑えた治療方法を選択し、術後の経過観察を丁寧に行うことが重要です。
5. 術後のメンテナンスとケア

骨粗鬆症の患者様においては、インプラント治療後のメンテナンスが非常に重要です。
骨密度が低いと、インプラント周囲炎のリスクが高まるため、定期的なメンテナンスとセルフケアを徹底する必要があります。
当院では、専門的なクリーニングや咬合調整を含めた定期検診を行い、インプラントの健康を長く維持できるようサポートしています。 特に、患者様ご自身で行うケアとして、適切な歯磨き方法の指導や、抗菌性の高い洗口液の使用を推奨しています。
インプラント周囲炎にならないためのケア
インプラントを長く健康に保つためには、インプラント周囲炎(インプラントの歯周病)を予防することが重要です。
定期的なメンテナンス
歯科医院での定期検診(3~6ヶ月ごと)を受けることで、インプラント周囲の健康状態を維持できます。
正しいブラッシング
歯間ブラシやデンタルフロスを活用し、インプラント周囲のプラークを除去しましょう。
禁煙
喫煙はインプラントの生着率を下げ、インプラント周囲炎のリスクを高めるため、可能であれば禁煙をおすすめします。
骨の健康を維持する
カルシウムやビタミンDの摂取、適度な運動を取り入れることで、骨の健康をサポートできます。
当院の強み

当院の院長は、歯科医師向けにインプラント技術を教えるセミナーの講師も務める、インプラント治療の専門家です。
豊富な経験と専門的な技術を活かし、患者様にとって最適な治療を提供いたします。
不安な点があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
骨粗鬆症の方でも、適切な診査・診断を行い、慎重に治療計画を立てればインプラント治療は可能です。
ただし、骨の状態によっては特別な配慮が必要となるため、専門的な知識を持った歯科医師のもとで治療を受けることが重要です。
当院では、歯科用CTによる精密診断、骨再生治療の併用、患者様に適したインプラントの選択など、骨粗鬆症の方でも安心して治療を受けられる環境を整えています。不安な点があれば、お気軽にご相談ください。
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